日本の伝統瓦で住宅地が景観の美しい観光地に!?

日本の伝統瓦で住宅地が景観の美しい観光地に!?

 

「瓦」は日本伝統の屋根材として、古くから国民に親しまれています。

 

しかし現在では屋根に瓦を葺いた建物が急激に減少しています。「相撲」や「歌舞伎」のように「和」の文化を象徴する建築様式ですが、日本の住宅地が海外観光客から注目されることはほとんどありません。

 

今回は、日本の伝統瓦をテーマに瓦屋根の魅力や特徴を改めて振り返り、観光地化しない原因について考えていきたいと思います。

 

 

■近年、海外から日本への観光客は増えている

 

外国人観光客は年々増えています。しかし日本の住宅地が観光地として人気になるケースはほとんどなく、和風住宅の良さが広まっていません。

 

日本古来の魅力的な景観の家並みがあれば、観光スポットが増え、さらに外国人観光客を呼び込めることができるでしょう。

 

しかし、瓦屋根の建物が少なくなったいま、日本の歴史と文化を感じられる建物に対する魅力は薄れています。
もし、この問題を打開することができればさらに集客できるはずです。

 

 

■海外では住宅地が観光地として人気スポットになるケースも
海外では住宅地が観光地として人気スポットになるケースも

 

イギリスのロンドンの郊外にある(車で1時間程度)「コッツウォルズ」という地方の住宅地は世界中から観光客が訪れ、観光地として広く知られています。

 

なぜ住宅地が人気観光地となったのでしょうか。

コッツウォルズは、絵本の世界がそのまま飛び出してきたような村々が点在する地域です。愛らしい家々が並び、田園や川など自然環境も整い、癒やしの空間が広がります。
13~14世紀から変わらぬ美しい家並、牧草地に囲まれたはちみつ色の石灰岩の家々は、世界中の幅広い世代から支持されています。村の住宅地には川沿いのカフェ、パブ、ショップが並び、食事やお茶を楽しめる施設も整っています。
村全体が写真映えする家並みで、訪れる人はリラックスしながら景観を楽しみます。

 

また、コッツウォルズは人気映画『ハリー・ポッター』のロケ地にもなりました。映画やドラマの撮影地になる住宅地は、観光客が多く訪れる傾向があります。
映像化できるような、瓦屋根が連なる住宅地が日本に増えれば、住宅地が観光地として人気となる可能性は大いにあるでしょう。

 

 

■日本の住宅街はなぜ観光地になりにくいのか?
日本の住宅街はなぜ観光地になりにくいのか?

 

日本は高度成長期に住宅施策を急ぎ過ぎたため、安価で短期間に完成する家づくりが進み、歴史や文化を感じることのできる住宅地が少なくなったといわれています。
住宅地ではありませんが、伊勢神宮前のおかげ横丁や倉敷の美観地区などは例外中の例外で、一般的には日本全国、特に都市部やその近郊ではどこに行っても大手のハウスメーカーが設計し、工場で大量生産されたプレハブ住宅が大半を占めているのが現状です。
このような街並みを散策しても海外(特に欧米)から訪れた観光客は“奇異”に思うことはあっても癒されることはないでしょう。

 

さらに、「日本=自然災害が多い」というイメージが根付いた点も大きく影響していると考えられます。台風や豪雨、地震に見舞われる頻度が高く、とにかく頑丈で災害時に壊れにくい住宅を求める傾向が強くなっているのかもしれません。
台風で飛ばされる屋根瓦、大地震で倒壊した住宅の粉々に割れた屋根瓦は、災害が起きるたびに繰り返しテレビで報道され、伝統的な屋根瓦の家屋は災害に弱いというイメージが植え付けられています。

 

しかし、実際は瓦屋根の家が台風や地震に弱いわけではなく、建物の構造や地盤の弱さ、メンテナンス不足が原因で被災するケースが多くみられます。
被災した家の多くが瓦屋根だったことから間違った認識を持つ人は多いのですが、屋根の重さを十分に考慮した構造や、ポリフォーム工法(後述)のように瓦をしっかり固定できる技術を広めれば、美しい外観と安全性を両立させることもできるのです。

 

 

■瓦屋根の建物は歴史と文化を感じる景観が魅力
瓦屋根の建物は歴史と文化を感じる景観が魅力

 

日本古来の瓦屋根の建物には、歴史と文化を感じる美しい景観があります。最新工法で災害対策をしっかりすれば、瓦屋根は広く支持され、愛されることでしょう。
日本の古い童謡のなかにも、瓦の美しさを表現した歌詞があります。それは「鯉のぼり」です。歌詞中に「甍の波(いらかのなみ)」とありますが、その甍とは瓦屋根を意味します。
甍の波とは、屋根瓦が連なる様子を海の波に例えたもので、鯉のぼりが空を気持ち良く泳いでいる様子を描写しています。昔は瓦屋根の家が主流で、連なった様子は見事な景観だったことがわかります。

 

屋根に使われる瓦の種類は色々ありますが、粘土瓦は見た目が美しく魅力的です。住宅地に馴染みつつ個性を引き出せる色合いのもの、鮮やかな色が目を引くもの、オーガニックな風合いを出すものなど、多種多様です。

 

粘土瓦だけでなく、地域の風土に合う屋根材を使った住宅が連なる場所は、観光地になり得ます。伝統的な瓦屋根の家が見事に並んだ街並みは、イギリスのコッツウォルズに引けを取らない景観です。
日本の歴史を感じさせる古き良き屋根材である瓦を用いた安全な家づくりをしていくことで、日本の良さを海外に広めることもできるはずです。

 

 

安全で美しい屋根を実現するためにおすすめしたいのが「ポリフォーム工法」。日本古来の粘土瓦の美しさ、日本の歴史と文化を物語る瓦屋根をしっかりと葺くために力を発揮します。

 

ポリフォーム工法とは、ビスや釘で瓦を固定する従来の設置方法とは違い、接着剤を用いて瓦を敷きつめていく施工方法のこと。
毎年、大型ハリケーンが頻繁に襲来するアメリカのフロリダ州では条例で使用が義務づけられるなど、“世界最強”の固定力があります。安心・安全な瓦屋根の家をつくりあげるうえで、欠かせない工法でしょう。
瓦の良さが広まれば、日本の住宅地が観光地になる日が来るかもしれません。

 

 

安心安全かつ美しい瓦屋根をお考えの方は、ぜひポリフォーム日本代理店会へお問い合わせください。

 

 

【ポリフォーム日本代理店会】
http://www.polyfoam.jp/

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