今回は、屋根のメンテナンス費用に関するお話をしたいと思います。
ポストに入ってくる外装塗装のチラシで、屋根は10年~15年おきの塗り替えが推奨されているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。しかし実は、瓦屋根なら塗り替えが不要なのです。一般的な化粧スレートと瓦屋根では、トータルのコスト面でどちらがお得なのでしょうか?メンテナンス費用の相場などを含めて検証し、解説していきます。
■化粧スレートのメンテナンスは大変!
現在一番普及している屋根材は、「化粧スレート」です。しかし劣化が早く汚れが付きやすいため、メンテナンスが大変という一面もあります。化粧スレート屋根の寿命は約30年ですが、一般的には10年スパンでの塗装が推奨されています。
化粧スレートは広く普及している反面、色あせ・カビや藻の発生・ひび割れなどが起きる可能性があるため、メンテナンスの回数は多めです。セメントと繊維質材料を混ぜて固めたものであることからも、太陽の紫外線や雨水に晒されると劣化が進み、防水性能も低下しやすいといわれています。
■瓦ならメンテナンス費用を抑えられます
一方、瓦は塗り替え不要なため、メンテナンス費用が抑えられます。初期費用は高めですが、長い目で見れば瓦のほうが化粧スレートなどより圧倒的にお得になります。具体的な費用に関して、「住宅産業協議会」および「粘土瓦普及委員会」等のデータを参考にしながら見ていきましょう。
※J型釉薬瓦使用、屋根面積100㎡の場合
※「住宅産業協議会」「粘土瓦普及委員会」資料を参考に作成
データによると、化粧スレートは10年おきに塗り替え工事が必要なのに対して、粘土瓦ではメンテナンスのための塗装工事が不要です。つまり初期費用だけを見るなら化粧スレートの方が瓦より安く済みますが、将来的なメンテナンス費用を比較してみると、瓦の方がはるかに費用を抑えられるのです。
■メンテナンスが楽な瓦屋根の特長
長期間メンテナンスが不要とされる瓦ですが、なぜ長持ちするのでしょうか。耐久性・耐水性など、そのメリットについてご紹介しましょう。
・耐久性
瓦は、土を焼きしめて作る非常に安定した物質でできています。紫外線による劣化やサビによる腐食などが無く、外装材としてとても高い耐久性がある屋根材です。これは築後数百年を経たお寺や神社を見れば明らかです。
・耐水性
瓦は耐水性でも優れています。雨天時に屋根材がどれだけ水分を含むかの実験では、化粧スレートが8.7%なのに対し、陶器瓦は5.8%(愛知県陶器瓦工業組合調べ)。陶器瓦と比べて吸水率が高めと言われるいぶし瓦でも、6.0%です(島根県産業センター調べ)。ここで注意したいのは、実験試材が「新品の状態」であること。たとえば化粧スレートは、10年も経てば紫外線等による劣化で吸水率が高くなります。一方の瓦は劣化が起こりにくく、長期間にわたって高い耐水性を保ちます。
・耐褪色性
瓦は「もともと塗装しない」ことも特長の1つです。化粧スレートのように製造過程で塗装を施す場合、質の高い塗装をしても、太陽からの紫外線が塗料を劣化させてしまいます。また、雨風の影響で年を経るにつれ劣化した塗料が剥落していきます。
瓦の場合は、釉薬を焼き付けたり燻化で炭素膜を作ったりして色を出すため、塗装が落ちるように色あせることはありません。経年変化は起きますが、塗装のような色あせは現れにくくなっています。
(全日本瓦工事業連盟による超促進耐候性試験結果。瓦が30年相当の照射試験後も色差等の変化がほとんど見られなかったのに対し、他の屋根材ははっきりとした退色性能の差が確認されました)
■ただし瓦もメンテナンスフリーではない
メリットが多く経済的な瓦屋根ですが、注意すべき点もあります。それは「メンテナンスフリーではない」ということです。台風や地震によって棟瓦のゆがみ、瓦の割れ・ズレ、漆喰の剥がれ・崩れなどが生じる可能性もあります。しかし、定期的に屋根の状態をチェックし、早めに対処をすることで、メンテナンス費用を抑えることは可能です。
ここでおすすめしたいのが、瓦屋根をメンテナンスするなら、強度とメンテナンスのしやすさが魅力の「ポリフォーム・ポリワン」です。
ポリフォームもポリワンも、同じ「硬質ウレタンフォーム」でできており、従来工法の約4倍の耐風・耐震強度があります。ポリフォームは2液性で約2.5~3倍に発泡するのに対し、ポリワンは1液性で発泡倍率が1.5倍程度と発泡倍率が違うため、それぞれの屋根に合わせて使い分けることも可能です。ポリフォームやポリワンを使ってしっかりメンテナンスをすれば、より長く住居を守ることができるのです。
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