皆さんがお住まいの屋根には、どんな屋根材が載っていますか?
地上からは見えにくいので、少し離れた場所からでないとわからないですよね。
そんな感じで普段見えにくい場所にある屋根ですが、実は家一番の働き者なのです。
雨風をしのぎ、照りつく日射を真正面で受け止めてくれています。
屋根があるお陰で、室内は快適な空間に保つことができています。
そんな働き者の屋根に、ちょっと注目してみましょう。
機会があれば、ぜひご近所さんの屋根を見てみてください。
どんな屋根になっているでしょうか?
きっと、いろんな色、いろんな種類の屋根をご覧になれると思います。
屋根材はとても多種多様で、価格も耐久性もさまざま。
メンテナンス方法も、材料によって異なります。
そこで、屋根材にはどんな種類があるのか、主なものを見てみましょう。
■日本の住宅で使われている主な屋根材
・粘土瓦
日本の伝統的な屋根材で、粘土を高温で焼き上げたものです。
焼いたままの「素焼き」、蒸し焼きにして表面に炭素膜をつくる「いぶし」(いぶし銀のいぶしです)、焼く前に釉薬を塗る「陶器瓦」があります。
比較的高価ですが耐久性に優れ、奈良県の元興寺では、西暦718年建立当時の屋根瓦がいまだに現役で使われているほど。
メンテナンスはほとんど不要で、ズレたら整え、割れたらその部分を交換するだけで済みます。
・化粧スレート
本物のスレートは、板状に割れる天然の岩で、ヨーロッパやアメリカのニューイングランド地方(北東部)で多く使われている屋根材です。
日本で多く使われているのは、この天然スレートを模して、セメントと繊維を混ぜて工場で製造された「化粧スレート」と呼ばれるものです。
「コロニアル」や「カラーベスト」の名称で呼ばれる屋根材は、現在の日本の住宅では一番多く普及しています。
軽量で安価、施工性も優れていますが傷みが早く、メンテナンスは10年程度で塗装、30年で葺き替えが必要と言われています。
・セメント瓦
見た目は粘土瓦と似ていますが、素材や製法がまったく異なります。
こちらはセメントを粘土瓦のカタチに固めて、表面に塗装を施しています。
比較的安価ですが、割れやすいのが難点。
セメント自体は基本的に水を吸う素材なので、表面の塗膜が耐久性を左右します。
塗装が効果を発揮しなくなると、素材のセメントがむき出しになり、ザラザラになります。
メンテナンスは10年程度で塗り替えるのがオススメです。
・金属
ガルバリウム鋼板、銅板、トタンなどの金属を使った屋根。
軽量ですが厚さが0.4mm程度なので、雨の音などが聞こえやすいのが難点。
またトタンは錆びやすく小まめな塗り替えが必要ですが、それ以外は20年~30年と耐久性が非常に高いのが特徴です。
ガルバリウム鋼板は表面のメッキが強固なため錆びにくく、銅は経年で生成される緑青が腐食を防いでくれます。
いかがでしたでしょうか。
きっと、一度は見たことのある屋根材があったことと思います。
日本には実にさまざまな屋根材があり、メーカー各社は、耐久性を高めるための開発にチカラを注いでいます。
今度お散歩にでも出かけたら、ぜひ、そんなところに注目しながら歩いてみてください。
きっと、いつもとは違った楽しみ方ができるはずです!